134号<平成30年1月23日配信>

【巻頭文】
  春に向けて、鳥取県内各地で地方自治体の首長や議員選挙が立て続けに行われます。新聞紙上も賑やかになってきました。
  まず、今月28日に琴浦町で町長選と町議選の投票日。2月4日には、境港市市議選と日野町長選、2月11日には、若桜町長選と町議選、2月25日には、日南町長選と町議補欠選挙、3月25日には、鳥取市と倉吉市の市長選挙と続きます。
 立候補者も万全の体制を整えて闘いに挑みます。投票する私たちも立候補者の声に耳を傾けながら、熱い思いと冷静な判断のもと一票を投じたいものです。
  国民に選挙権が認められていることは憲法に定められた重要な基本的人権の一つです(参政権)。投票は、国民が政治に参加するもっとも身近な手段といえるでしょう。
 しかし、近年の選挙では、投票率が70%を切ることもしばしばです。20代に限れば50%を切ることも珍しくありません。(*2016年6月より選挙権は満18歳になりました)
  この選挙権、行使できるようになるまでには長い歴史がありました。国政選挙ではありますが、明治22年、大日本帝国憲法の発布と同時に公布された衆議院議員選挙法で、直接国税の納入額が15円以上、かつ満25歳以上の男子に限って選挙人の資格が与えられました。その割合は全国民のわずか1%あまり。お金持ちの男性にしか政治に参加する権利はなかったということです。その後、大正14年に普通選挙法が施行され、納税額の多少に関わらず、満25歳以上の男子全員に選挙権が与えられました。しかし、女性には選挙権も被選挙権もなく、戦後の昭和20年になって初めて、日本の女性は選挙権を得ることになります。
  国民が選挙権を獲得するまでには、いくつもの闘争がありました。また、日本で生まれ育ち、長年暮らし続け、納税の義務を課せられながらも、地方自治体の首長や議員の選挙権さえ持たない人も多数います。
 自分の暮らす町の〝まちづくり〟や、生活に直結する地方自治体の選挙。
  大寒を迎え、凍えるような寒空の下、雪をも溶かす熱い舌戦が始まります。一票の重みを十分に噛みしめながら、投票に向かいたいものです。
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【ふらっと便り】
  ふらっと交流スペースでは、1月27日(土)から鳥取県立白兎養護学校高等部の生徒の皆さんによる美術作品展を開催します。
 まだまだ寒いこの季節、心あたたまる作品に出合えると思いますので、ぜひご覧ください。お待ちしています。
 ●『白兎養護学校 高等部 美術作品展』
   展示期間:平成29年1月27日(土)~2月25日(日)
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 【つれづれ日記】 ハンドルネーム:ぶり
  小学校1年生の姪と、毎週テレビでアニメ番組を観ている。「アイドル○○」とかいう番組で、目が巨大で針金のような体形の女の子たちが、奇抜な衣装と髪型をして激しく歌い踊るのに驚くが、よく観ると、勇気、友情、個性、挑戦などがテーマになっていてなかなか興味深い。自己肯定感が低く消極的な子が、勇気を振り絞って(なぜかアイドルの)ステージに立つ。自己表現を成し遂げたその子と、それを見届けた観客の子らの間で元気や感動がやり取りされる。アイドルのパフォーマンスを観て勇気をもらうという構図が、伯母ちゃんには今一つ理解できないのだが、本物のアイドルグループ欅坂46が「サイレント・マジョリティ」(声なき大衆)という曲を出し、「君は君らしく生きていく自由があるんだ」「行動をしなければNOと伝わらない」と歌っているのを聴くと、“アイドルによる人権啓発”の時代が来たなと思う今日この頃である。

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