131号<平成29年10月25日配信>
【巻頭文】
「白人性の特権」という概念を北米に広めたペギー・マッキントッシュ博士が来日し、私は大阪で開催された彼女のワークショップに参加した。「特権」とは、「労無くして得た優位性」のこと。博士の小論文には、北米における白人の「特権」の例として、「たいていの場合、一人で買い物に行ける。誰かにつけられたり、嫌がらせをされたりすることはないと、かなりの確率で断言できる。」、「小切手、クレジットカード、現金などを使う場合、自分の肌の色が原因で金銭的信頼を失うことはない。」、「差別撤廃措置を取り入れている会社に就職しても、人種のおかげで就職できたと同僚に疑われることはない。」、「間違いなく、自分の子どもは自分たちの人種を肯定する教材を与えられる。」など26項目が挙げられている。
これらは、白人にとってあまりに当たり前のことなので、白人優位の社会が白人だけに与えた「特権」であるとはなかなか気づかない。博士は、北米を覆っている次のような“神話”が、更に白人にこの特権に気づきにくくさせていると言う。
・この国は実力主義社会である。個人に実力があれば社会的に成功できる。
・白人は人種ではない。人種問題は有色人種の問題である。
・単一文化…この国の人は全員、アメリカという一つの大きな文化に属している。
・白人は道徳的に優れている。だからこそ、白人が世界を支配することになったのだ。
また、博士は、こういった“神話”に基づいて社会を見ている白人は、差別にあえぐ有色の人々の訴えに対して、次のように反応しがちであるとも指摘した。
・どうして、皆仲良くできないの?
・問題にする人がいるから問題になるのだ。
・私は偏見を持っていないし、皆を一人の人として見ている。
・もっと物事の明るい方をみたらどう?
・皆、何かしら問題は持っている。しかし、人格の優れた人はそれを乗り越えている。
・どうしたって、社会にそぐわない人はいるものだ。
北米の白人が持つ「特権」についての博士の話は、私にはそのまま日本における日本人の「特権」や、健常者の「特権」、異性愛者の「特権」、被差別部落外の人の「特権」などの話に聞こえた。あなたはどうだろうか?
【ふらっと便り】
ふらっと交流スペースでは11月1日(水)から『子ども虐待って~不適切な関わりと無関心~』パネル展を開催します。
子ども虐待は、子どもの心身の発育、発達に深刻な影響を与え、ときには、子どもの生命さえ奪う著しい人権侵害であり、社会全体で取り組まなければならない課題です。鳥取県では、平成28年度において84件の虐待報告例がみられます。子ども虐待とは何か、虐待を防ぐために何ができるのか、まず知ることからはじめてみませんか?
皆様のご来館をお待ちしております。
●『子ども虐待って~不適切な関わりと無関心~』パネル展
展示期間:平成29年11月1日(水)~11月30日(木)
【つれづれ日記】 ハンドルネーム:とっとちゃん
我が家の次男の犬のふくたろう。この10月で4歳になる。相変わらず、一匹にされるのが怖いようで留守番が出来ない。6ヶ月で我が家に来たので、潜在意識に自分だけが家に置いて行かれたという悲しみが残っているような気がする。それでも、「お買い物だから待っててね」とちゃんと伝えると、家では待てないが車の中では待てるようになった。ちょっと彼なりの進歩である。
また最近は、お散歩に行きたい、トイレに行きたいなど、彼なりに犬語とアイコンタクトで話してくる。時々、何を言っているか理解できなくて困る時があるが、それでも随分と意思疎通が出来るようになってきた気がする。動物も愛情をこめて接していけば、心の通い合いができるのだと思う、犬ばか夫婦の今日この頃である。
【催し案内】
映画「千鳥百年」の上映とイベント=田中千鳥「県外」応援団大集合
田中千鳥は、大正時代、県内初の女性新聞記者で作家としても活躍した田中古代子の長女。わずか7歳で夭逝した彼女が残した80編余りの詩文は、多くの人に感動と刺激を与え、全国にファンが生まれています。
〈内容〉
映画上映「千鳥百年」
トーク:上村武男さん(神職、作家)
オカリナ演奏:鈴江先子(音楽家)
〈期日と会場〉
◯11月23日(祝・木)12:30開始と15:00開始の2回
わらべ館いべんとほーる
◯11月25日(土)14:30開始の1回のみ
ゆうゆう健康館けたか
〈参加方法〉
参加費1,000円(高校生以下は無料)
申込み不要。直接、各回の会場にお越しください。
〈お問合せ先〉
090-4893-7171(河根)