130号<平成29年9月21日配信>
【巻頭文】
この夏、県立博物館で「つばさの博覧会―巨大翼竜からペンギンまで―」の企画展が開催された。夏休み期間中ということもあり、家族連れで賑わっていたが、展示内容は小中学生の自由研究の題材として活用されたに違いない。
空を飛ぶ能力は、敵から逃げ、餌を探し、移動するのに大変便利なもの。一方、体を空中に浮かせるためには大きなエネルギーを生み出す筋肉と軽量化の工夫が必要であり、地球の歴史上で空を飛ぶ能力を手に入れたのは、昆虫、翼竜、鳥、コウモリの4グループだけとのこと。
中でも一番興味深かったのはペンギンのコーナー。ペンギンの先祖は空を飛べる鳥で、今のカモメのように、空を飛んできて海面に降りて、食べ物をとっていたと考えられている。
海面に浮かぶ暮らしを続けているうちに、だんだん海中に潜って餌を探すようになり、やがて翼を水の中で使うように進化した。翼をはばたかせて泳ぐため、速いスピードで泳ぐことができ、獲物をうまくつかまえられるし、敵からもすばやく逃げられる。
やがてペンギンの翼は、完全に泳ぐための道具になってしまい、ペンギンは、全く飛べない鳥になったのである。せっかく手に入れた空を飛ぶ能力を進化の過程で手放した訳である。
当センターのマスコット「ふらっチョー」も鳥だが空を飛ぶことはできず、もっぱらイベント会場で愛嬌を振りまいている。初代誕生から8年経ち、今は二代目が活躍中である。進化というよりも力学的なアプローチが有効だと考えられるが、「ふらっチョー」が空を飛べない理由を自由研究の題材にしたという話はまだ聞いたことがない。
【ふらっと便り】
ふらっと交流スペースでは10月1日(日)から『若年性認知症~若年性認知症と診断された本人と家族が知っておきたいこと~』パネル展を開催します。
全国で約37,800人、鳥取県内では300人以上が若年性認知症を発症しています。
発症年齢は平均51.3歳、まだ現役世代であることもあり、子どもや家族を含め生活への影響は多大です。
この機会に「若年性認知症」について知ってみませんか?
皆様のご来館をお待ちしております。
●『若年性認知症~若年性認知症と診断された本人と家族が知っておきたいこと~』パネル展
(出典:「若年性認知症ハンドブック」認知症介護研究・研修大府センター刊)
展示期間:平成29年10月1日(日)~10月31日(火)
【つれづれ日記】 ハンドルネーム:ひまわり
何年ぶりでしょうか。久し振りにしゃんしゃん傘踊りを見に出かけました。鳥取県庁で交流員として働いている韓国人のK.Yさんが県庁連のメンバーとして踊りに参加されたからです。
米子市が韓国束草市の中高生を招いて日韓交流をした10年前、高校1年生だった彼女をホームステイしてあげて親しくなりました。
その後何度か日本で再会し、また、大阪大学に国費留学していた時には、砂丘や砂の美術館を案内してあげたり、家庭料理を楽しんでもらったりしました。
その彼女が再び、それもまた、鳥取県庁に勤めることになったのです。夢のような嬉しい知らせでした。孫のように歳の離れた彼女は、私の事を“ひろえさん”と呼び友達のように接してくれて私の存在を喜んでくれています。
先日、しゃんしゃん傘踊りの時に平井知事や私と撮った写真を見ながら歓談し、ついでに私が勉強を続けている韓国語を教えてもらったりしました。
今、北朝鮮をはじめ韓国と日本の関係は、政治的に決して良好とは言えませんが、そこに住む人々の多くは、温かく親しい関係を続けています。互いに人と人とが語り合い、愛し合いの交流を深め続けていけば、きっと明るい未来が築けると、そんなことを願い夢見ながら、暮らしている私です。