152号<令和元年7月24日配信>

【巻頭文】
 「持続可能性」という言葉を聞くようになった。「持続可能性」を謳った会議や事業があったり、企業・団体の名前にも英語の「サステナビリティ」が用いられたりしている。
 最近では、SDGs(持続可能な開発目標)という言葉を聞かれた方も多いだろう。今月は、内閣府が選定する令和元年度の「SDGs未来都市」(全国31都市)に智頭町と日野町が選ばれたというニュースも飛び込んできた。
 「持続可能な開発目標」とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に登場する、2030年を期限とした17の国際目標である。その目的は「持続可能で、多様性と包摂性のある社会」を実現することにあり、「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」と誓っている。
 17の目標は次のとおり。これらの下に数値を含む具体的目標が合わせて169項目示されている。
 ①貧困、②饑餓、③保健、④教育、⑤ジェンダー、⑥水・衛生、⑦エネルギー、⑧成長・雇用、⑨イノベーション(革新)⑩不平等、⑪都市、⑫生産・消費、⑬気候変動、⑭海洋資源、⑮陸上資源、⑯平和、⑰実施手段
 我々の社会は、産業・技術の急速な発展がさまざまな恩恵をもたらす一方で自然破壊が進み、気候変動が各地の伝統的産業を脅かし、災害が人々の日常生活を根こそぎ奪っている。また、国内外において貧富の差が拡大し、社会の断絶が起こり、人々の不満がマイノリティに対する抑圧や搾取に向かうなど、社会不安が増大している。
 このような中、「持続可能な開発目標」は、経済活動と環境保全、社会問題の解決をバランス良く進めるための対策を国内外で展開するよう各国に求めている。
 自然が壊れても、社会が壊れても、人類は終わりだ。我々は、すべての人々のためによりよい未来を作ることができる最後の世代かも知れない。そういった待ったなしの危機感と強い決意が「持続可能な開発目標」には込められている。
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  【つれづれ日記】  メイプル
 『この味が いいねと君が 言ったから 七月六日は サラダ記念日』。この短歌にちなんで七月六日は「サラダ記念日」に制定されている。短歌の作者、俵万智さんは次のように述べている。
 鶏の唐揚げをカレー味にしたら好評だったというささやかなことを短歌にしました。でも、唐揚げでは重い、軽やかなものがいいいと思いサラダが浮上。野菜に元気がでる夏、サラダのS音との響きあいを考えて七月に、普通のなんでもない日を記念日と思える歌にしたいと考え、七夕の前の六日にしました。
 考えてみると、今日も何事もない平凡な一日だったと思うことがあるが、「何事もない」ということが実は幸運なことだと気付かされる。
 日々生活する中で、大抵の日は、何か大きな出来事があるわけでもない。だからこそ、一日を無事に過ごせたことを特別な日として喜びたいと思う今日この頃である。

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