155号<令和元年10月23日配信>
【巻頭文】
10月19日に開催された「令和元年度琴浦町福祉大会」に参加し、元文部科学事務次官の前川喜平さん(現代教育行政研究会代表)の講演を聴いた。「誰も置き去りにされない社会を目指して」をテーマに、教育を巡る様々な問題等(政治や経済との関係、時代背景、社会状況等)についてたっぷりと語られた。
講演の後半では「夜間中学」に関する話があった。夜間中学とは公立の中学校の夜間学級のことで、政府広報オンライン(2018.3.8)には、『戦後の混乱期の中で義務教育を修了できなかった人や、様々な理由から本国で義務教育を修了せずに日本で生活を始めることになった外国籍の人など、多様な背景を持った人たちが一生懸命学んでいます。最近では、形としては中学校を卒業していても不登校などの理由で十分に通うことができなかった人たちの“学び直しの場”としての役割も期待されるようになりました。』と説明されている。文部科学省によると、現在、公立の夜間中学が9都府県に33校設置されている他、民間ボランティアの協力を得て教育委員会や任意団体等が実施する「自主夜間中学」や「識字教室」も160以上の市区町村で1,500件以上取り組まれている。しかし、その数は十分とは言えない。前川さんによると、2010年の国勢調査で「小学校未修了者」は12万8千人、また、文部科学省が今月17日に公表した2018年度の不登校者数は16万人を超え、毎年増加している。さらに、今年4月の「改正入管法」により日本で暮らす外国人は今後ますます増加することが見込まれる。
さて、解放新聞第2927号(2019.10.21)に、今年9月27日に韓国ソウルで開催された「日韓識字教育強化のための国際シンポジウム」の記事が掲載されている。紙面には、日本と韓国の識字教室で学ぶ人々によって生まれた「日韓識字学習者共同宣言※」も掲載されている。その宣言の中にこんな一節がある。
『わたしたちにとって学ぶことは生きることです。』
多くの人にこの共同宣言の全文をご覧いただき、「学ぶことは生きること」、その意味に思いを馳せてほしい。そして、宣言の中にある『社会や政府への要望』を読み、「自分に何ができるか」考えてみてほしい。それが、「誰も置き去りにされない社会を目指す」ための、私とあなたの一歩になるかもしれないから。
※ 識字・日本語センター(https://call-jsl.jp/)のHPにも全文が掲載されている。
【ふらっと便り】
◆11月“ふらっと”交流スペース展示のご案内◆
『共につくる私たちの未来 ~SDGsから「持続可能な社会の創り手」への一歩を~』
◆11月 無料上映会のご案内◆
バリアフリー映画『道草』(日本語字幕付き:95分)
内容:知的障がい者の暮らしとは?
自閉症や重度の知的障がいがある3人の青年が
地域の中で一人暮らしをする日常を追ったドキュメンタリー映画
日時:①11月22日(金) 13時から
(音声ガイドあり・託児なし)
②11月23日(土・祝) 10時から
(音声ガイドなし・託児あり5名まで)
③11月23日(土・祝) 13時から
(音声ガイドなし・託児なし)
申込:各回申込要
定員:各回定員30名
【つれづれ日記】 イルー
うちの息子とうとう高校生になりました!
第一希望ではなかったものの、自分の望む高校に進学し、毎日元気に楽しく通っている。
私の衝撃は、高校になったとたん大人にでもなったかのような変身ぶり。自分のことは自分でするのは当たり前のことで、早くそうなって欲しいと願っていたことも事実だ。
しかし、急に頼られなくなると淋しくなる。こちらから「送ろうか?迎えに行こうか?」と提案してしまう自分が情けない。もちろん断られる。
子離れして自分の時間を有意義に使う時が思ったより早く、急にやってきた。特に趣味もない私は家でウロウロ、ゴロゴロ・・・。これでは時間がもったいないと思い、知人に誘っていただけるものには積極的に参加してみようと心に決め動き始めた今日この頃。