156号<令和元年11月27日配信>

【巻頭文】
 「あなたの会社は何人働いていますか?」「だいたい半分くらいですかね」………尋ねたのは従業員数だったのだが、………日本語は難しい。
政府からの提言もあり、いま「働き方改革」が求められている。人権に関わる長時間労働の問題についても議論されている。しかし現状を見ると、まだまだ会社員は会社という組織を維持するために生産性を要求され、長時間労働を強いられていることが多いのではないか?まさに「働きアリ」のよう。では、働きアリは本当に働いているのだろうか。
 「働きアリ」と聞くと集団で猛烈に働いているイメージを抱かれるかも知れないが、実際のところ、一生懸命働いているのは全体の約2割にすぎないという。これは経済学の世界では「働きアリの法則」又は「パレートの法則」と呼ばれている。
 ちなみに、一生懸命働いている2割の働きアリが「全体の8割の食料を集めてくる」という。残り8割のアリは何をしているのかというと、6割は普通に働き、2割のアリは何もしていない。その割合は「2:6:2」になることが分かっている。
 では、一生懸命働いている2割のアリだけを集めると非常に効率の良い組織ができるのだろうか。実際に一生懸命働いている2割のアリを集めてみると、いつの間にか働くアリと働かないアリのグループに分かれて、その割合は「2:6:2」になるという。
 組織の中に「働かないアリ」がいるのは、いかにも効率が悪いと思われがちだが、どうしてこのような結果になるのだろうか?
 まず「すべてのアリが一斉に働くとどうなるか?」一時的に仕事の処理能力はアップするが、同時に疲労も蓄積されるので、高い処理を維持することが困難となり、最終的には組織(コロニー)を存続できなくなるという。
 一方、「働かないアリ」のいる組織では、懸命に働いているアリが疲れて休んでいるとき「働かないアリ」が代わりに働き始める。つまり、「働かないアリ」が疲労したアリをカバーすることで、常に仕事の処理が一定の速度で行われる。そして、むしろそのほうが組織は長続きすることが解明されている。
 「働きアリの法則」は大切なことを示唆している。すなわち、組織とは効率だけを追求しても長続きしないということ。勿論、これは、一定以上の規模の組織でないとあてはまらないことではあるが。
 さて、「あなたの会社は何人働いていますか?」………尋ねたのは、従業員数だったのだが、………。

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ハンドルネーム:まる助
 2ヶ月前、身体のある部分に直径1㎝程度の紅斑ができているのを発見した。痛くも痒くもないので放っておいたのだが、消えるどころかどんどん増えていくので、さすがに本人も家族も心配になり、とりあえず皮膚科を受診した。何か重大な内臓疾患があるのかも…と、内心ヒヤヒヤしていたところ、医師は「○○○皮膚炎ですねえ~」とあっさり診断を下し、塗り薬を処方してくれた。原因は寝不足とストレスだそうで、医師には「よく寝てくださいと言うしか…」と言われてしまった。
 この場合の「よく」とは、「充分」、「質の良い」ということだと思うが、よく寝るためには、改めなければならないことがたくさんある。生活習慣、仕事の仕方、人間関係、ストレスとの付き合い方、寝具や部屋の環境等。とは言っても、なかなか…。自分を見つめ直すとか、気づきを行動へとか、人権啓発でもよく出てくるフレーズなのだが。皆さんはよく寝ていますか?

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