169号<令和2 年12月24日配信>
【巻頭文】
忘年会もなければ、クリスマスイベントもない静かな年の瀬、今年もあと一週間で暮れていきます。2020年は、世界中が新型コロナウィルスに翻弄され続けた一年でした。人の動きが止まり、世界が凍り付き、私たち人類にとって大きな試練の年であったように思います。
私自身も、不安が募り、ストレスが溜まり、一人で物思いに耽ることが多くなりました。それだけに日常の中で、十分に掘り下げることもないまま口にしてきた様々な言葉の意味や解釈について、自分自身に問いかけ、深く考え込む時間も増えたように思います。 何故「命」は大切なのか? 「共生」とはどういうことをいうのか? 地球の「未来」はどうあるべきか? そして「人権」はどう扱われるべきか? 等です。
28日(月)から『Go to キャンペーン』が一時停止されます。「新型コロナウィルスを避けて命を守るのか」「人の動きを活発にして経済を支えるのか」。その本質はともに「命を守り生活を維持していく」という「人権」に根拠を置いたものにほかなりません。このように「人権」と「人権」が衝突する事態にどのように向き合うことが、正しい選択なのか? また、もっともよい結果を導き出すのか? 現実の世界は、無常にも流れを止めることはありません。
また、国民の生命が危険にさらされる事態にあって、イタリアやフランス等欧州では、外出禁止令等、本来は個人の意思に委ねられるはずの私権を制限するなど、政府が強力な権限を発動しました。その一方で、日本では私権の法的制限を含まない「自粛要請」が続けられています。政府の強権発動を求める声もある中、これからの『WITH コロナ時代』に向けて「人権」の有り様は、今も模索中と言えるのかもしれません。
鳥取は数年ぶりに雪景色のクリスマスイブとなりました。「きよしこの夜・・・」に、「命」や「人権」への思いを巡らせ、一つひとつの自分の行動を振り返りつつ、静かな夜を過ごしてみるのもいいかもしれません。
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【ふらっと便り】
◆1月 ふらっと 交流スペース展示のご案内◆
『人権クイズ』
広島市 市民局 人権啓発部 人権啓発課
展示期間:12/25(金)~2/1(月)
最終日の展示は午後3時まで
◆新入荷図書◆
『ブクロキックス 2巻』
著:松本 いっか/出版社:講談社
『うちの息子はたぶんゲイ 3巻』
著:おくら/出版社:スクウェア・エニックス
『オール・アメリカン・ボーイズ』
著:ジェイソン・レノルズ 著:ブレンダン・カイリー
翻訳:中野 怜奈/出版社:偕成社
『教師はあきらめない ―かけがえのない生徒たちへ』
著:三木 ひろ子/出版社:新日本出版社
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【つれづれ日記】 ぶり
我が家の猫は、2歳頃に保健所に行き、動物愛護団体を経由して我が家にやってきました。これまでの猫生(?)に何があったのか、彼女は人に触られるのが大嫌い。やってきた当初は手を出すと本気でかみつき、流血騒ぎになっていました。
ときには、「なでさせるのが飼い猫の務めでしょ!」と文句を言ってみたり、「ちょっとだけ抱っこしてもいいかなー?」と猫なで声とともに手を出してみたりするのですが、「にゃー」と一喝されて終了。
「無理矢理抱っこなんて、彼女の尊厳を踏みにじる行為だ!」とか、「“身体は究極のプライバシー”というじゃないか。」とか、その度に人権啓発者らしく反省しています。とはいえ、最近、かみ方が少し優しくなったような…? 将来に希望をつなぎ、今日も彼女がお気に入りの鰹のカリカリ(ドライフード)を買って帰ります。