174号<令和3 年5月26日配信>
【じんけん放話】
思いのほか、早い梅雨入りとなりました。仕事場の大きな窓から空を見上げると、どんよりとした雲が鳥取の街を覆い、お天気がめまぐるしく変化する日々が続いています。
さて、「人権ひろば21ふらっと」は今、引っ越しの準備で、てんてこ舞いしています。6月1日より、隣接の建物「鳥取県立生涯学習センター(県民ふれあい会館)」の2階へと移転します。
今年に入ってから少しずつ片付けを進め、今週は、職員それぞれが抱え込んだ書籍や資料等の最終整理に勤しんでいます。引き出しの奥底や保管倉庫に眠っていた思い入れのある書籍や資料等が目に留まるたび作業の手を休め、パラパラと捲って見入ってしまいます。10年前、私がこの仕事を始めた頃、何度も読み返した専門書や、自分が作成したワークショップのプログラム資料等も多数発掘(笑)、「うわっ、懐かしい-」「こんなことやってたんだ」と心が弾むと同時に時代の流れを感じます。人権学習のテーマ設定やその内容等、現在と比べると隔世の感があります。
当然ではありますが、社会のあり方や人々の人権意識は、日々刻々と変化しています。例えば、10年前には、私たちの社会に存在しなかったモノや言葉として、「子ども食堂」「オレンジカフェ(認知症カフェ)」「福祉避難所」「8050問題」、そして「コロナ差別」等があります。また、この10年のうちに新たに生まれた(または、改正された)法律等には、「部落差別解消推進法」「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ対策法」「アイヌ新法」「パワハラ対策法」「(各自治体の)パートナーシップ条例」等、枚挙に暇がありません。(※ 法律名等は略称。)これらの法律等が制定・施行されるたび、その理念や目的、本質等を読み取り、それぞれの個別テーマごとに、「どのような資料を作成すると、その理念がうまく伝わるだろうか」「どのような例え話をすると深く印象に残るだろうか」等、学習の支えとなる資料作りや、講演内容等を工夫してきたことを思い出します。
さて、新天地に移った後の10年を想像してみます。社会はどのように変化しているだろうか? 何が変わって何が変わらないのか? 変えるべき事と変えてはいけない事は何か? 等、未来に向けて、一歩ずつ前進する人権尊重社会の姿を思い描くとともに、私自身も「人」と「社会」に真摯に向き合っていきたいと思います。どうぞ、新しい「ふらっと」にも、おいでください。
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【ふらっと便り】
◆ 6月 ふらっと 交流スペース展示のご案内◆
パネル『フツーの人の「自覚無き差別」
~「差別があり続ける社会」を支えているのは?~』
出典:鳥取県人権文化センター
展示期間:6/1(火)~6/30(水)
最終日の展示は午後3時まで
◆新入荷DVD◆
・『部落の心を伝えたいシリーズ 第6巻
差別っていったい何やねん ―歩く水平社宣言・川口泰司―』
上映時間30分 2004年制作 ドキュメンタリー
◆新入荷図書◆
・『声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている 3巻』
著:矢村 いち/出版社:秋田書店
・『リエゾン ―こどものこころ診療所― 4巻』
著:ヨンチャン 原著:竹村 優作/出版社:講談社
・『健康で文化的な最低限度の生活 10巻』
著:柏木 ハルコ/出版社:小学館
・『ゴールデンカムイ 25巻』
著:野田 サトル/出版社:集英社
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【つれづれ日記】 ハンドルネーム:ひまわり
コロナ、コロナで今日もまた感染者が○人かと憂鬱な気分。妖怪の“あまびえ”は、時代が違うからコロナウイルスを撃退してくれないのかな・・・?、と思う。
先日、あるTV番組を見て久々にほっこりした気分になった。
その番組では、鳥取、島根県内にある学校の校歌として歌われている、大山や斐伊川、千代川などの山や川に、どういう思いが込められているのかについて報じていた。歌詞には、人として知徳体のバランスの取れ、優しく、たくましく、そして元気に成長してほしいという願いが込められているということのようである。
それを見て私は、半世紀以上も前に歌っていた我が母校の校歌を口すさんでみた。小、中、高校は大体歌えるが、大学はさっぱり思い出せない。
夫婦が共通しているのは高校の校歌だ。普段、歌など殆ど歌うことの無い夫だが、一緒に歌ってみようと促し、合唱。歌っていると、当時の学生生活が、走馬燈のように浮かび、胸が熱くなった。校歌って、心の栄養になっていたのだなと実感。歌うたびに当時の気分になり、若返る。以後、時々歌って憂鬱気分をふっとばそうと思っている。
たまには友達と集い、それぞれが校歌を歌い若かった当時の思い出話に花を咲かせる事も、面白いかもしれない。新型コロナウイルスが収束したら、思いっきり声を張り上げて、歌ってみたいですね。