191号<令和4年10月26日配信>

【じんけん放話】
今年のノーベル賞は、10月3日から10日にかけて各賞が発表された。ダイナマイトの発明者アルフレッド・ノーベルの遺言に基づき、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の5分野、のちに経済学も追加され6分野の受賞者である。
ノーベルの遺言は「当該利益は五等分に分割され、その部分は次のように配分されるものとする/- – – – /(平和賞に関する部分については、)国家間の友愛、常備軍の廃止または縮小、および平和会議の開催および促進のために最もまたは最善の仕事をした者に一部を配分する。」というもの。
7日発表された平和賞の受賞者は、ベラルーシ出身の人権活動家アレス・ビャリャツキ氏、ロシアの人権団体「メモリアル」、ウクライナの人権団体「市民的自由センター」の1個人2団体。
授賞理由は、「長年にわたり、権力を批判し、市民の基本的権利の保護を促進してきた。戦争犯罪、人権侵害、権力の乱用を記録するために傑出した努力を払ってきた。共に、平和と民主主義にとっての市民社会の重要性を実証している。」とされている。
選考は、発表前年の9月に推薦人に依頼状が送られ、推薦人は発表年の1月末までに推薦する。その後、ノーベル委員会による選考が行われる。そのため、推薦内容にそれ以降に始まったロシアのウクライナ侵攻(2月24日)に関する内容を含むことは物理的に無理である。とはいうものの、今年平和賞候補として推薦された343個人・団体からの今回の選考は、ロシアによるウクライナ侵攻を強く意識したものと感じる。
辞書には、「平和とは『戦争や紛争がなく、世の中が穏やかな状態にあること』」とある。きっと、ノーベルも戦争や紛争がなく、世の中が穏やかな状態にあることを願って遺言を残したのであろう。
戦争、紛争、人権侵害等に対する平和活動は価値ある活動であることは間違いない。しかし、望むらくは、戦争や紛争が実際に起こっていない状態で、そして世界中から授賞を祝福される平和賞でありたい。
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【つれづれ日記】ハンドルネーム:  ぶり
我が家の飼い猫あいちゃんは孤食しない主義。かならず家族を呼びつけて、自分が食べるところを見守らせる。時々皿から顔を上げてはちゃんと見守っているかを確認し、「いいこだね~」「よく食べるね~」と声を掛けると満足げに食事を続ける。
あいちゃんは仔猫の頃、捨てられた公園でカラスに襲われて九死に一生の怪我を負い、獣医や保健所の方々の手厚い介護リレーで命を取り留めたという経験を持つ猫である。おそらくは、自分が食べると人が喜ぶということを発見し、我が家に縁づいた後も家族を喜ばせてやろうと、深夜だろうが朝の4時だろうが、食事の度に呼びつけるのだろう。
食べる姿はなにやら尊い。この子が現に生きていることを実感させ、今後も生きてくれるだろうと期待させる。今では家族が食べる姿を見てもじんとする。…これはまずい傾向でしょうか?

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