206号<令和5年1月24日配信>

【じんけん放話】『乗り遅れないように!「〇〇と人権」』
 トレンドというといささか不謹慎ではあるが、人権にもその時々で注目を集めた分野がある。県の人権尊重の社会づくり条例も’96年の制定時には「同和問題、女性の人権に関する問題、障害者の人権に関する問題などの人権に関する問題」としていた箇所を、’21年には「人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、感染症等の病気、職業、被差別部落……その他の人権に関する問題」と改正し、制定時以降具体に取り上げられてきた分野を追加している。
 では、最近は? ユーチューバーによる私人逮捕が過激化した「インターネット」、G7広島サミットを機に急遽法律が成立した「LGBTQ」、旧ジャニーズ問題から端を発した「性暴力」等々あるが、近年じわじわと注目されているのが「ビジネスと人権」。自社にとどまらず取引先や消費者までも含めて、あらゆる人権について配慮が必要とされ、その取組は人権デュー・ディリジェンス(人権DD)といわれる。
 ’11年に国連人権理事会において「ビジネスと人権に関する指導原則」が全会一致で支持されて以降、世界各国が取組を進めている。日本はといえば’20年に「『ビジネスと人権』に関する行動計画」、’22年9月に「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」を策定。ちなみに’13年には、イギリスとオランダが早々に行動計画を策定しており、24か国目となる日本は遅い取組と言わざるを得ない。
 一方、近年企業も取り組んでいるSDGsは、’15年に国連総会で採択、翌年には日本も「SDGs実施指針」を決定。「誰一人取り残さない」持続可能な開発目標として、その理念は人権尊重の社会に通ずる。どちらも人権尊重に関する取組であるのに国内での温度差は、その発信が国連の総会と補助機関の人権理事会の違いから? 企業の負担感から? マスコミへの露出度の多寡から?
 人権DDは、経営リスクの抑制や企業価値の向上に繋がる。既に、グローバル企業では取組は進んでいるようだが、中小零細企業であっても取引先や消費者に選ばれるようになれば、ビジネスチャンスも広がる。具体的に何をすればいいのかという声もあるようだが、ネット社会の今、上手に使えば情報はあふれている。取組事例も紹介されている。そして、取り組むにあたっては、ぜひ、これまで個別の人権課題で身に付けた知識や意識がどこまで活かせるか試してみたいもの。
 ちなみに、冒頭の県条例に基づく人権施策基本方針も、’22年の改訂では「ビジネスと人権」を共通して取り組む重要施策の一つとして取り上げている。
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【ふらっと便り】
 ◆2月 ふらっと 交流スペース展示のご案内◆
  『みんなで目指す! SDGs×ジェンダー平等』出展:内閣府 男女共同参画局
   展示期間:2/2(金)~2/29(木)(最終日の展示は午後3時まで)
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  『大切なひと』 上映時間:34分 2023年制作 ドラマ 対象:一般
 ◆新入荷図書◆
  『「寝た子」はネットで起こされる!? ネット人権侵害と部落差別』
   著:川口 泰司/出版社:福岡県人権研究所
  『男性の性暴力被害』
   著:宮崎 浩一、西岡 真由美/出版社:集英社
  『リエゾンーこどものこころ診療所ー ⑮』
   原著:竹村 優作、ヨンチャン/出版社:講談社
  『Shrink~精神科医ヨワイ~ ⑪』
   著:七海 仁、月子/出版社:集英社
  『大ピンチずかん ②』
   著:鈴木 のりたけ/出版社:小学館
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【つれづれ日記】ハンドルネーム: ぶり
 先日、地域のどんど焼きに参加した。子どもたちがはしゃぐ様子に目を細めながら、「今、この地域の小学生は20数人おるだって。うちの子が小学生だった20年くらい前はほんの数人だったのに」と、ある人が教えてくれた。住民が高齢で亡くなったり施設に入ったりして地域が寂しくなった、という話ばかり聞いていたが、その一方では一軒、また一軒と、子ども連れの新たな家族が移り住んでいたようだ。子どものころから知っていて、今や農業と子育てに大忙しの30代となった青年は、「昔からおる者らと、新しく入って来た人らが、何でも好きに話し合える場をもっと作らんといけん」と熱く語った。
 また、その後の新年総会では、地域の同じ班の人たちとLINEグループを作ることになった。年代のバラバラな人たちが集まって頭とケータイを突き合わせ、助け合い励まし合って登録したのが、思いの外、楽しかった。
 長らく眠っているとばかり思っていた地元に、変化の小さなつぼみを発見して、新春からわくわくしている。
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【メルマガの配信終了のお知らせ(3月)】
 いつも、当センターのメルマガをご覧いただきありがとうございます。
 月に1度ではありますが、多くのみなさまに様々な情報をお届けしてまいりました。14年間の長きにわたり配信を続けてきましたが、今年度3月配信の第208号をもってメルマガの配信を終了させていただくことになりました。
 来年度より当センターのHPを刷新いたします。このHP上において、現メルマガで配信している「じんけん放話」や「ふらっと便り」の情報を発信する予定です。4月以降はHPをご覧いただいて引き続きご愛読いただければ幸いです。今後ともよろしくお願い申し上げます。
 なお、2月配信の「207号」、3月配信の「208号」につきましては、従来通り現メルマガにて配信いたします。

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