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じんけん放話13「おもちゃで考える多様な社会」

 5月5日は「子どもの日」です。全国各地でイベントが行われ、子どもたちの歓声が響きわたることでしょう。「子どもの日」と言えば、私は幼い頃、祖母に仮面ライダーやマジンガーZのフィギュアを買ってもらい、そのかっこ良さに憧れ、よく真似をしてポーズをとったものです。

 そんなおもちゃも今、多様な社会や人に対応したものが受け入れられています。一時は衰退しかけたバービー人形も世界中の多くの子どもたちがなりたい自分に投影できる商品を販売し、復活を成し遂げています。宇宙飛行士や消防士などの職業に関連したもの、体型や肌の色、髪の毛の質感などの身体的特徴を表現したもの、また、車椅子や義足を使ったものもあります

 マテル社で同商品を担当するリサ・マクナイトは次のように話しています。「私たちは多様性に富んだ商品を作り、あらゆるタイプの美を表現することを目指してきました。誰もが手に取りやすいように。」また、「この取り組みを通じて、子どもたちに正しいメッセージを伝えられることにワクワクし、誇りを感じています。そのうえ、ダイバーシティはビジネスにもプラスに働いていて、バービーブランドは好調そのものです。」と。
 おもちゃを作って売り、子どもたちに喜んでもらうだけではなく、おもちゃ自身が社会により良い影響を及ぼす力を持っているということです。 

 近年、「ビジネスと人権」に関する指導原則に則った人権尊重の取り組みが企業に求められています。企業は、たくさん売るという目的を第一とした商品を開発するばかりでなく、社会に良い影響を与える取り組みを反映させた商品を理念とともに伝えることで多くの共感を得ることができます。

 また、投資家についても利益を追求するばかりでなく、人権や環境を大切にする企業、また、社会問題の解決に前向きである企業に投資することが、投資家としての役割や責任であると考える人も増えてきました。

 「おもちゃとは、こういうものだ」との思い込みに対して、新たな気づきを得るきっかけとなり、憧れや美に対する意識も変えられます。多様化するおもちゃで遊ぶことを通して、世の中には多様な人々が暮らしており、誰もがさまざまな生き方で自分の可能性を広げることができるということを感じてほしいと願います。                        

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