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じんけん放話14「人口減少は『女性のせい』?」

 

 今年4月、民間の有識者グループ「人口戦略会議」が、将来的に「消滅可能性がある」と分析した744の自治体名を公表した。2020年から2050年までの30年間で若年女性(20~39歳)人口が50%以上減少する自治体を「消滅可能性自治体」としている。

 この調査や結果に対する各自治体や首長等の反応は様々だ。前回調査(2014年)で消滅の可能性を指摘され、今回その危機から脱却した自治体は、この10年間の取り組みの成果が得られたと安堵する。一方、全国町村会は、人口減少への対応や独自の地域づくりに懸命に取り組んでいる自治体の努力に水を差すものだとコメント。今回の推計に示されるような事態となった大きな要因は、東京圏への一極集中と少子化であると指摘し、国が先頭に立って自治体の取り組みを一層強力に支援すべきだと訴えた。

 このニュースに接したとき、真っ先に思い出した言葉がある。

 「産む機械」。
 2007年1月、時の厚生労働大臣が人口減少と少子化問題について語った中での発言だ。「女性は15歳から50歳までが出産をしてくださる年齢。『産む機械、装置の数』が決まっちゃったと。その役目の人が、一人頭で頑張ってもらうしかない。」
 少子化に関する政治家の「失言」は度々繰り返されてきた。

 少子化の原因をあたかも「女性のせい」であるかのように単純化し、嘆いてみせたり「ご褒美」をちらつかせたり権力を笠に着て脅したりする。このような発言は、女性を馬鹿にしているだけでなく、結婚する人としない人、産む人と産まない人、産める人と産むことがかなわない人、子どもがいる人といない人、若年世代と高齢世代の分断と対立を煽る行為だ。

 この国には多様な人が生きているという現実を理解、直視し、今を生きる個人の尊厳と幸福、人権を守るという国の役目を忘れず、人口減少、少子化対策に真剣に取り組んでほしい。

                        

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